tan78°
「暑さ寒さも彼岸まで」とはいうものの、中秋の名月の昨日(22日)名古屋の最高気温は33.7℃、湿度平均64%で結構蒸し暑かった。今夏の猛暑で、このところ以前にも増して断熱、遮熱にお客様の関心が高まっているように思われます。当社でも壁や屋根の遮熱にはいろいろな取組み、試みをしてきました。軒の長さもその一つです。壁面の日射を計算する場合、方位係数というものがあり、愛知県など?地域では、南0.39、北0.24に対して、東、西、南東、南西方向は、0.45になります。すなわち東西は、南面の15%増し、北面の88%増しということになります。つまり西面や東面の日射対策はとても有効ということになります。
壁面の日射対策でもう一つ重要な要素は、軒の出です。とりわけ南面の日射対策では軒の出は最重要ポイントです。
最近の住宅は軒の出が小さい傾向があります。デザイン性や採光上やむを得ない場合(敷地境界線から軒先まで一定以上空ける必要がある場合)もありますが、日射対策を優先すれば、できるだけ長くということになりますが、どれくらいがベストなのか社内でもよく論議になります。
その1つの目安がtan78°です。78.4°は、北緯35°における夏至の南中時の太陽高度で、軒の出の長さを乗ずると、壁面の影になります。仮に軒の出を60cmにすれば、60×tan78°=282cmとなり、2階の階高が2.8mであれば、夏至の南中時、2階南面は、全て軒の影に覆われることになります。1階部分はバルコニーでもあれば、大丈夫ということになります。推奨軒の出60cmいかがでしょうか!
因みに、東海地方では北緯35°線は、知多半島の根元付近を通り、愛知県をほぼ真横に横断しています。