方位
先日、太陽光発電を設置されたお客様からのデーターを集計していて、奇妙な共通点を見つけました。
データーの集計は、お客様ごとに何年何月の月間発電量を表にまとめて作成していたのですが、一戸一戸建物の立地の違いを記そうと、表中に書き込んでいますと偶然かどうか分かりませんが、方位の共通点が見つかりました。
太陽光には真南に面するのがベストに決まっていますが、なかなかそんなわけにもゆきません。そこで南に対して何度どちらに振っているかをそれぞれのお宅に書き込んでみますと、不思議なことにほとんどのお宅が西に向いていました。
これまで集計した12棟のうち、ほぼ真南が2棟、真南より東を向いていたのは1棟のみ!残りの9棟が西に向いていたのです。設置場所は同じ区画ということは全くなく、10市町に点在バラバラです。何で?
無い知恵を絞っていろいろ考えてみました。
その結果
建物の向きを決めているのは、その町の街路の向きが一番影響するようです。地元の三河地方の街路は旧東海道(国道1号線)が東南東から西北西に通り、豊橋、岡崎、知立、など旧宿場町では東海道を基準に街路が造られ、必然的に建物は南面がやや西を向いています。蒲郡、安城、刈谷などはほぼ平行するJR東海道線を基準にしていて、ほぼ以下同文です。
この地域ではもう一つ街路造りのルールがあるようです。名古屋中心部の街路は若干ですが東西線がやや東向きです。東に向かうとやや北に向かうことになります。その理由はおそらく名古屋の街路の基準は、名古屋城と熱田神宮を結ぶライン(大津通り)ではないかと思われます。熱田神宮が名古屋城の真南より若干東に位置しているせいだと思われます。
このように寺社仏閣を基準に街路が造られた町もあるようで、豊川なども豊川稲荷の門前の向きが基準でしょうし、離れていますが、西尾市の駅前通りを延長すると、海の向こうは伊勢神宮方向になります。(これは偶然!?)
これも偶然でしょうが、三河地内の東海道からは伊勢神宮がほぼ等距離になります。即ち東海道は伊勢神宮を中心とした半径70kmぐらいの同芯円で、接線と直交の定理より東海道に直交する街路は、伊勢神宮方向を向くことになります。・・・そんな定理ありましたっけ?
考えれば考えるほど、この地域の建物が西を向くのは偶然ではなさそうです。今がシーズンの台風を考えても、南東風をかわす角度という意味からも合理的ですし。西日もいくらかかわせそうです。