2012年11月23日パッシブハウス
先日、パッシブハウスジャパン代表森みわさんの講演を聞きました。
それによれば、昨年度日本でヒートショックによる死者は14,000人(推計)
死因にヒートショックはないそうなので、ヒートショックと思われる死因というのが正確なところのようです。
同じく交通事故の死者は5,000人だそうです。
そして、イギリスでは住む家(の断熱性能)で健康保険料が変わるんだとか。暖かい家に住んだ方が年1万円医療費が安く済むそうです。・・・良いことづくめの高断熱住宅ですが
ドイツ仕立てのパッシブハウス基準は、日本の高断熱レベルとは比較にならないレベルのようで、その要件の一つが年間必要冷暖房熱量15kwh/m2以下(建物床面積当たり)というのがあります。
ちょっと分かりにくいかも知れませんが、40坪(132m2)の家ですと、15kwh×132=1980kwh(年間)必要で、1日では1980/365=5.42kwh 1時間あたりでは5.42/24=0.226kwh=226whということになります。
これは平均ですから、寒い日や暑い日にはもっと大きな熱量は必要ですが、冷暖房以外の生活熱だけでも500〜600w/hあるといわれますから、生活熱以下で暮らせそうな家ということになります。
実例では地域にもよりますが、Q値にして1.0W/m2k以下、0.85とか0.75とかになるそうです。
1月名古屋では、平均気温6℃としますと、快適室内温度20℃で暮らすための必要熱量は
Q値0.8、床面積132としますと
必要熱量は 0.8×132×(20―6)=1,478W/hとなります。
この数字は日射熱や生活熱を考慮すれば、ほとんど暖房の必要が無い状態といえます。
これは、厳冬期想定ですので、少し気温が高くなったり、大勢人が集まったりすると、
それだけでも室温が上がることとなり、窓の開放や冷房が必要となります。
そもそもヨーロッパと日本の大きな違いは、夏多湿の日本とドライのヨーロッパ。冬ドイツでは名古屋より平均で5〜10℃も低く、日本の寒玲地並です。
パッシブ基準を各地一律に適用するのはやや難があるかもしれませんが、これからエネルギーを重視した住まい造りを考えた時、住まいの燃費を明示する意義は確実に大きくなりそうです。