換気がおかしい
先日、(他社施工の)匿名の方から「換気が上手くいっていない」という相談の電話がありました。
お話では、気密測定もされ、それなりに気密断熱性能にこだわったお宅のようですが、トイレの臭気が気になるなど換気異常が起こっているようで、キッチンの換気扇が稼働した時の異常が特に気になるようです。聞いてみるとどうも換気扇は同時給排ではないようです。・・・NG世の中こんなもののようです?
こちらのお宅のC値は0.6cm2/m2。換気は第三種換気だそうで、高気密住宅でキッチン換気扇が同時給排でなかったら、「換気が上手くいっていない」のは当たり前、トイレの空気も浴室の空気も逆流していても不思議ではありません。そもそも建物の計画換気とは、時間当たり建物容積の1/2の量で良いことになっています。例えば床面積133m2(40坪)の家で平均天井高2.6mとしますと
133×2.6×1/2=173.9m3で
1時間に200m3弱換気すれば、適正ということになります。
一方、キッチンの換気扇は、600〜800m3/hといった風量ですから、これを動かすと換気システムによる計画換気はズタズタになるのは当然です。キッチンの大風量を動かすには大風量に見合った流れを作ってやる必要があります。でないとキッチンの排気そのものも上手くできないことになります。具体的には調理の排気不良が起こり、煙や臭いが排出されにくくなります。
この対処法は、キッチンの換気扇作動時には、換気扇近くの窓をどこか開けてやれば、流れはスムーズになります。冬に窓なんか開けたら寒いと思われるかもしれませんが、高性能住宅なら影響は意外と小さいと思います。