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2011年11月22日

建築のマニアックなお話し−プラン作成編その1

国立店の吉田です。
今回からは、住い創りの根幹でもある「間取り・プラン作成」についてのお話しです。

「住いづくり」を始めるにあたり、最初に「間取り(プラン)」や「モデルハウス」を見始める方は多いと思います。
それまでは自分たちの希望や好み・条件などを漠然と考えていたところから、いざ、打合せが始まって、プランや部屋イメージなどの具体的な話しになってくると、"どのプランがよいのか”、”何をこだわりたいのか”、”どの要望を優先するか”といったことが、だんだん分からなくなってくる場合も多いようです。

「プランをつくる」ためには、”具体的な要望”をまとめて”理想とする生活スタイル”から「プラン」を考えていくという考え方が一番の理想ですが、お客様自らが具体的な「理想の生活スタイル」を考え「具体的な要望」から「希望するプラン」を”考えていく”、”決めていく”ことは、なかなか難しいことと思います。

例えば、”キッチンに食器洗浄機が欲しい”とか、”リビングは10帖欲しい”といった具体的な要望は、すぐに出てくると思いますが、”リビングはこういう風に使いたい・こういう雰囲気にしたい”といった生活スタイル的な要望は出難いようです。また、”リビングの広さはどれ位欲しいですか”と問われると、”今のリビングより広くしたい”といった感覚的な「希望」となっているようです。そのため、プランを決定する際には、
悩まれてしまうことも多いようです。

そこで今回は、「要望やプランを考える際のポイント」を、設計担当の見地からお話しできればと思いますので、参考にして頂ければ。

?住まいに対する「既成概念」を忘れてみる。
「家」に対する”一般的”と思う基準は、実は、”一般的ではない”ことが多いようです。
例えば、都市部では”玄関”は狭くて当たり前と思う一般的な尺度が、田園地域ではとても広い玄関が一般的というように、その基準は、育ってきた環境であったり、住んできた家だったりと人によってさまざまです。
中には”玄関は広くなければ家とは言えない”とか”個室は10帖以上”とか、建築条件・地域性や予算によっては現実的でない要望も意外に多いのです。
また、”浴室は絶対に1階”という方もいますが、よくよく聞いてみると、”今まで住んできた家は必ず1階にあったので1階と思っていた”というように、"思い込んでいる”部分もあります。プランや生活動線・建築条件によっては、1階ではなく、2階の方が効率が良い場合もあります。
そこで、一度その”垣根”を外すことで、本当に必要とする要望を整理してみることが大事です。
また、それでも外せない基準は”こだわり”や”自分の尺度”と考えて良いと思いますので、プランに反映させてみましょう。
今後整理する他の要望と合わせてみると、その”優先度”がハッキリしてきますので、納得がし易いと思います。

?「普段の生活」を振り返ってみる
ご自分やご家族の”普段”の生活を、「1週間」や「2週間」を単位にして、”平日”や”休日”を区別して振り返ってみてください。
これをすることで、”各お部屋の過ごし方や使い方”、”家事動線”や”生活動線”がみえてきます。今後、プランのシュミレーションをする際にも必要となってきます。

?自分の「要望や理想」を整理してみる
まず、ご自分の要望点や理想を整理してみましょう。
”夢”を描いても、ついつい”現実”を考えてしまうと思います。実現できるかどうかは、もう少し後で「選択」すれば良いことですので、まずは「何」を盛り込みたいかの要望を挙げてみてください。
それは、家具かもしれないし、雑誌で見た部屋のイメージ、かもしれません。抽象的でも構いませんので、どんな些細な事も挙げてみることで、要望を具体的にしたり、イメージや整理ができると思います。
そのうえで、ご自分なりの「要望点の優先順位」を決めてみてください。

?家族で話し合ってみる
ご自分の要望点がまとまったなら、ご家族と話してみてください。
ご主人や奥様、お子さんやご両親と話してみることで、ご自分の要望も整理されるときもありますし、ご家族の要望や希望を話せる良い機会と思います。
また、それぞれの要望を加えることで、”良かれ”と思いご家族のために入れた要望が実は不要であったり、他の要望を入れなければならなかったりします。
そして、”現在のご家族の生活スタイル”が見えてくることにもなります。

?理想の生活を「プラン」で”シュミレーション”してみる
作成したプランであったり、ご自分で暖めているプランがあるなら、?でしたように、「一週間」「2週間」位の単位で、平日、休日での過ごし方や部屋の使い方をシュミレーションしてみてください。
できれば、まず「自分」目線、その後可能なら、ご家族それぞれの目線でシュミレーションできれば、なお良いと思います。
これをする事で、ご自分が”理想”と思っている「生活スタイル」が、本当に「現実」とできるかが見えてくると思います。また、新たな”発見”や”要望”が出たり、不必要なものが見えてくる可能性もあります。

?「3年後」「5年後」の生活を予想してみる
誰しも”10年後”、”20年後”は予想し難いと思いますが、”3年・5年”後は、予想しやすいようです。
そこで、3年後や5年後のご自分に置き換えて、ご家族の状況を考えてみることも必要です。
例えば、お子様が小・中学校生であれば、3年後、体も成長し、年齢に応じて持っている荷物の状況も変化していきます。今は宿題をダイニングでしていたものが、5年後は、年齢と共に自分の個室でするように変化していく事も充分に想定できますから、おのずと、子ども部屋の位置や広さ・収納方法を考慮しなければなりません。
そこで、今理想としたプランの内容が、3年後、5年後でも有効に活用できるかどうかを見ることができると思います。
もしかしたら、今は良いけれど、5年後には”使わない”スペースや部材があるかもしれません。せっかく他の要望を削ってまで盛り込んだ内容が、実はその時だけの”一過性”のものである場合も多分にあります。
ここで理想プランの内容を確認して、場合によっては調整することも一つの方法です。ただし、あまりこの部分を深く考えすぎないでください。

次回は、「プラン決定のポイント」です。お楽しみに!



<3Dイメージ>

ブログ投稿者
店長:吉田浩一
1969年3月18日生まれ
趣味:楽器演奏(サックス、キーボード)、有名建築の見学
出身地:茨城県稲敷郡阿見町

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