2016年3月20日檜皮葺き
明日(21日)は西尾市吉良町で公開気密測定(予約制)ですが
現場のある吉良町には国宝「金蓮寺弥陀堂」があり、つい先日屋根の葺き替え工事が完成しました。
鎌倉中期の建立ということですから750年ぐらい前でしょうか?愛知県下の国宝建造物は犬山に犬山城と如庵がありますが、この金蓮寺弥陀堂が県下では最古ということになります。この片田舎吉良町で、おそらく行き届いた維持管理もろくにされず長持ちしているのは逆に特筆ものではないでしょうか。その大きな要因がこの檜皮(ひはだ)葺きの屋根にあると思います。
深い軒の出は風雨から建物本体を守り、屋根の形状機能も理に適った造りで水切り機能と優美な形状を両立させています。先端に行くにつれて勾配が緩く、面積は広がり雨水の流速をコントロールしているものと考えられます。軒垂木も元の方ほど密に造作され力学的合理性を感じます。
明日はこの近くで公開気密測定と構造見学会です。