障子が外れなくなった?!
お客様からの電話 「障子が外れなくなった?!」
このフレーズ・・・建築の仕事を始めた当初、とってもビックリさせられた。
が、今では、聞き飽きた・・・(失礼)。
それどころか点検時に、障子の開け閉めの頻度や、張替え度合をチラ見して、
予想するようになってしまった(笑)。
そんなことはないだろう〜?と言いつつも、心の何処かで家が傾いていないか?
なんて、思っちゃったりしません?
これを言われると、我々はちょっとショック!
なぜなら、障子(造作建具全般)は、精度を高めて作れば作るほど、
木材の膨張収縮・構造組みの落ち着き等の影響を受けやすく、
動きにくくなったり、外れなくなったりします。
これを回避するために、建具を緩くして納める方法もありますが、
建具のバタつきが生じて、とってもみっともない・・・・。
やっぱり障子は‘シュー・・・・・パン!’と開け閉めしたい。
だから、障子が外れなくなっても、そんなに慌てるべからず。
それは家の躯体等が、土地の気候等に、馴染んでゆこうとする動きのひとつ。
5〜10年で落ち着くはず。
そもそも、障子をはじめ造作建具類は、その動きを想定して作られていて、
ちょっと手を入れるだけで調整できる。
この辺りが、日本建築のすばらしいところ。
そして、‘くるい’が生じた時には、声をかければ大工・職人が「よおっ!」て、
やってきて、手を入れてくれる。
「ついでにちょっと見ていくよ!」なんて家の調子を見て問題を未然に防ぐ・・・。
こんな伝統を、いつまでも守ってゆきたい。